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ニュースレター 第1号

御挨拶

会長 杤堀申二

‘隗より始めよ’の意味する如く、私共のバレーボール研究会は、日々バレーボールに関わっていらっしゃる現場の指導者から、トップレベルを目指すチームのコーチの方々、バレーボールをより普及発展させていくことに心を咲いている研究者等々、多くの人々の総力を結集させ活動をスタートいたしました。このことによりスポーツ文化としてのバレーボールをより素晴らしいものに仕上げ、大勢の方々に愛されるようにしていきたいと考えています。更に次代を担う若い人達にこのすばらしさを伝えていかなくてはならないと考えています。

バレーボールを取り巻く幅広い課題を提案し、その各々にご関心を抱く方々と学び合い、問い合う関係を作り上げたいと願っています。国内での高まりとまとまりが出来たなら、アジアの研究者達にも声をかけていきます。北京でも西安でも台湾でも私共の研究会に関心を示してくれる人達に会いました。いずれは世界のバレーボール愛好者達にも仲間に入っていただきたいと感じています。機会をお作り下さり、積極的にこの会をご支援下さい。

幹事長 矢島忠明

このたび、バレーボールを愛好する大勢の皆様の協力と賛同を得ることができ、ここにバレーボール研究会が発足した事は誠に喜ばしく、また、より一層責任を感じる次第でございます。

皆様もご存じの通り、バレーボールは数多くあるボールゲームの中でも特に奥深い魅力のあるスポーツの一つです。日本のバレーボールはその強さゆえに、従来から世界でも屈指の研究と献身的な努力を積み重ねてきました。そしてその結果、多くの人達に夢と感動を与えてきました。ところが、若者たちは、近年ファッション性豊かな野球、サッカー、バスケットボール等のスポーツに魅力を感じてきており、バレーボール離れが目立っているのが現状であります。それに伴って、主要な国際大会等においても、日本のバレーボールの成績が振るわなくなって来ています。そこでこの奥深さを従来の経験のみに頼るのではなく、皆様と共に、科学的なものに視点を変えて追求し発展させ、指導者やプレーヤー自らがそれらを実践することによって、バレーボールに対する親しみと共に新しい価値観や魅力を少しでも覚えさせることが出来れば、減少しつつあるバレーボーラーを再び呼び戻すことができるのではないかと思います。さらにそのことによって低迷傾向が見られるバレーボールの拡充と他のスポーツに見られないバレーボールの面白さや奥深さを見いだすことにつながることになることと思います。

15年前からすでに、われわれは、『次の時代を担う若手の研究者や指導者を学際的な立場で育成して、国内外にバレーボールをより普及・発展させようではないか』という多くの声を受けて、バレーボール研究会の必要性を強く感じていました。それ以来、機会のある毎に何名かの有志が集い、広い視野のもとで模索検討してきた結果、いま、バレーボール研究会を発足させてバレーボールの振興に努めないと、後に大きな禍根を残す事になるということを懸念し、ここに「21世紀を目指すバレーボールはどうあるべきか」「いかにバレーボールに対する興味・関心を高めるか」等といった大きな課題を提起したのであります。そして国内外共にいかに親しみのあるバレーボールを普及させ、裾野を広げていくかを皆様と共に、広い視野をもとに学際的な立場で模索・研究しながら意見交換が行えていけたらと思う次第であります。

ここに、この研究会のさらなる充実と発展を願って挨拶と変えさせていただきます。

企画委員会委員長 明石正和

バレーボール研究会は、全国的な規模で研究大会(年1回)開催すると共に地域的な規模で研究集会を東京、大阪を中心として年2回の開催を予定しています。当面の研究テーマは、

  1. 競技スポーツとしてのバレーボール
  2. 学校教育における課外活動(バレーボール部)について

このテーマを研究者、指導者、選手が一体となり、着実に高度で実践的な研究を進め、競技レベルがアップし、バレーボール人口が増加し、日本のバレーボール研究の向上に寄与するよう私共は努力する所存です。

研究集会:第1回バレーボール研究集会

日時平成8年10月26日(土) 14:30〜18:00場所早稲田大学体育局 201会議室テーマ学校教育における課外活動バレーボール部の現状について

  • 中学生男子の立場から篠原政一 青梅市立霞台中学校
  • 中学生女子の立場から鈴木和弘 筑波大附属中学校
  • 高校生男子の立場から鈴木陽一 早稲田高等学院
  • 高校生女子の立場から藤生栄一郎 筑波大附属高校
  • バレーボールの技能に対する「観戦」「プレー」の立場の違いによる魅力と感動について矢島忠明 早稲田大学
  • バレーボール選手の発育期における障害と予防について岡崎壮之 川鉄千葉病院

第2回研究大会・総会(予定)

日時平成9年3月中旬場所早稲田大学 体育局2F

アンケート調査について

会員の方々が、日頃どのようなテーマに興味をお持ちか調査したく存じます。皆様が研究集会のテーマとして取り上げたいとお考えのものをどしどし事務局までお寄せ下さい。

編集委員会委員長 柏森康雄

編集委員会の役割としては、本会の目的であるバレーボールに関する科学的研究とその発展に寄与するために、会員相互の情報交換を図ることは勿論、世界中のいろいろな情報を集め、その情報を発信していくことを担うものである。バレーボールに冠する情報交換のツールとしてコンピューター通信を活用し、将来的には研究会独自のホームページを開設して、情報発信基地としての機能を果たしたいと考えている。そこで、現在行える事柄として、まず次の3つの事柄について取り組むことを役員会で話し合った。

  1. 会報(ニュースレター)の発行:年2・3回程度
  2. 研究文献データーベースの作成と会員への提供
  3. 研究学会誌の発行

1.の会報の内容については、研究大会・総会・研究集会等の案内や報告、役員会の報告、事務局だより等があげられる。また会員の方から研究のトピックスや実践報告などを提供していただいて掲載したい。そして、できるだけ会員相互の意志の疎通や情報交換が密になるよう年2・3回の発行をめざしたい。

2.の研究文献データーベースの作成と会員への提供であるが、これについては次のような手順で進めていきたいので会員の皆様方のご協力をお願いしたい。まず、会員の方が過去5年間(平成3年より)に大学紀要・学会発表(支部学会を含む)・雑誌類等に登校されたバレーボールに関する文献を編集関係担当責任者の柏森まで下記の登録項目についてお送りください。まとめた資料は、平成8年度の研究大会で会員の方に報告致します。将来は各年度ごとにまとめた資料を提供し、バレーボールを研究・解明していく資料を共有し合えるようにしていきたいと考えている。何卒よろしくご協力の程お願いいたします。

「バレーボールに関する研究文献データーベース」登録項目

  1. 発表年次(西暦・和暦)
  2. 発表論文主題
  3. 発表論文副題(ある場合)
  4. キーワード(1論文について4語程度に制限)
  5. 発表者名(著者名) 全員の名前を掲載するのが望ましい
  6. 雑誌名(大会名)
  7. 巻数・号数(大会回数・開催年月日)
  8. 頁数 開始頁および終了頁

尚、<論文要旨 Abstract>和文100字程度の簡単なものを添付して頂ける方は、よろしくお願いいたします。

具体例
  1. 1994年、平成6年
  2. バレーボール選手の体力測定に関する研究
  3. 中国・日本・米国・カナダ・旧ソ連・オランダの6カ国の比較研究
  4. 文献的研究、国際比較、体力測定項目、共通測定項目
  5. 楊勁蒼、柏森康雄
  6. 大阪体育大学紀要
  7. 第25巻
  8. pp.123-143
研究文献データー提出先

郵送の場合〒569-11 大阪府高槻市日吉台3-4-8 柏森康雄 宛FAXの場合0724-53-7028 大阪体育大学 柏森康雄 宛提出期限平成8年12月末日まで

3の研究学会誌の発行については、現在役員会で検討中である。研究集会や研究大会の実績を積み上げていきながら、できるだけ早く投稿規定を作成し研究会独自の「バレーボール研究学会誌」を発行したいと考えている。

トピックス1

今やバレーボールの世界もコンピューターとの関りが深くなってきた。特に最近インターネットやパソコン通信といった言葉も日常的に耳にする。今回のオリンピックにおいても、リアルタイムに協議結果をインターネットを通じて情報提供していた。会員の方も既にご存じだと思いますが、バレーボールの情報交換として役にたつインターネットの機能では、ニュースグループとWWW(World Wide Webの略)が存在し、それについて紹介する。ニュースグループとしては、rec.sport.volleyball(英語)と fj.rec.sports.volleyball(日本語)がある。WWWとしては、アメリカのバレーボール協会が開設したVolleyball World Wideがある。URL(WWWのアドレスをこう呼ぶ)は、http://www.volleyball.org/ である。

バレーボールの歴史、アメリカのナショナルチーム、その他バレーボールに関する様々の情報を見つけることができる。また、世界中のバレーボールに関するホームページもここで探すことができる。最後に、大手商用パソコン通信社のひとつ、ニフティサーブでは、バレーボールと球技の情報を専門に扱うフォーラムが存在する。フォーラムとはニフティサーブの会員の中で、特定の興味を持った会員たちの情報交換の場である。ニフティサーブにアクセスして、 GO FVBALLと入力すると、バレーボールフォーラムに行くことができる。(初めての場合は、ここで入会手続きをする)。フォーラムの機能の主なものは、電子会議、リアルタイム会議、でーたライブラリ等である。データーライブラリには現在95年ワールドカップの記録が保存されている。今後、益々いろいろな形でパソコン通信が活用されていくことであろう。なお、この記事は本会会員河部誠一氏の「バレーボールとコンピューター通信」(JVA Volleyball 1996)を参考としてまとめたものである。

-トピックス2-

8月の下旬、杤堀本会会長、矢島幹事長、柏森の3名で中国・西安市を訪れた。旅行の目的は西安市で行われた第5回全国大学生運動大会の閉会式とバレーボール競技を視察することと西安体育学院でバレーボールの講義を依頼されたためである。全国大学生の大会は4年毎に開催され、全国人民運動大会、全国都市運動大会に次ぐ規模の大きい大会であり、バレーボールの競技レベルは日本の大学生より男女とも少し高い水準であった。特に北京・上海などの大都市のチームは選抜チームを組んで参加しており、競技レベルは高かった。

西安体育学院での講義は、日本におけるバレーボールの現状・ソフトバレーの紹介・技術指導のあり方などを話した。バレーボール関係の先生・大学院生・学生がノートをとったり熱心に聴いてくれた。その折り本年度日本にバレーボール研究会が発足したことが話されたところ、中国からも本会に入って活動していきたいという希望が述べられた。近い将来中国・韓国・東南アジアの国々の大学チームの国際大会や国際シンポジュウム開催することができればすばらしいことであり、是非実現したいものである。

総務委員会委員長 遠藤俊郎

総務委員会では、本研究会事務局を山梨大学遠藤研究室内におき、役員会、研究大会・総会の開催、関係文章の発行・発送、会費の管理等、様々な事務的作業を行い、本会の運営がスムーズに行くように努力しております。本研究会の会員数は、発足当初171名でスタートいたしましたが、会員の皆様方の御努力で10月16日現在202名にまで増えました。今後本会が学会まで発展するためにはさらに多くの会員の確保が重要と考えております。申込書を掲載いたしましたので多くの関係者に周知、入会のお誘いに役立てていただきたいと思います。

また、本会の年会費は3,000円となっております。本研究会は財源が皆無の状態からスタートしておりまして、会員各位の会費だけが主な収入源となっております。これまで年会費の納入に関しましては会員各位には多大なる御理解と御協力を頂いておりますが、今後とも更なる御協力をお願い申しあげます。事務局は「よろず相談承り所」といった機能を有していると思います。会員各位の屈託のない御連絡をお待ちしております。

編集後記

本バレーボール研究会も第1回総会・研究会に引き続き、第1回研究集会の開催と、少しずつその活動の歩を進めて参りましたが、今回会員への情報伝達の場となるべき会報、ニュースレターの第1号を発行する運びとなりました。本レターの企画に関しましては、柏森幹事長を中心とする編集関係担当感じに負うところが第で、今回は本会の活動状況を御理解いただくことをメインテーマに会長、理事長及び各事業担当者に文章をお寄せいただきました。しかし、構成、デザイン等は事務局で検討させていただきました。

なお、以下の3点について、事務局で検討し本レターで採用いたしましたのでご了承ください。

  1. 編集、企画、総務の各関係担当をそれぞれ委員会とし、責任者、副責任者を委員長、副委員長とする。
  2. バレーボール研究会の英文表記の頭文字をとった「J.S.V.R.」を本会のロゴとして使う。
  3. バレーボール研究会の住所表記に総務委員長の電子メールアドレスを付加する。

何とかニュースレター創刊号を発行することができましたがいたらぬ点も多いと思います。バレーボール研究会の将来に向けても会員各位の積極的な御意見、情報等を事務局までお寄せいただければ幸いです。(1996.10.16.Toshi)